こうみ大夫

罪の手ざわりのこうみ大夫のネタバレレビュー・内容・結末

罪の手ざわり(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

現代の中国人は京劇の物語をかつての中国人がそうであったように、自分を投影させて観ることができるのか、そんなところが出発点になっている気がする。だから、中国の社会問題が…とかよりもむしろ任侠モノの側面があって予想と違った。最後のシーンが明らかにしている通り、中国人は京劇の物語が語るやり切れなさや梁山泊への憧れをやはり感じるのであり、それを消すかのようにやけに華美な中国の都市風景が度々登場する。なんか、中国人ほどは分からないかもしれないけれど、あの「新しい中国」に対する妙な嫌悪感が伝わってきた。今もかつての城が残り、かつての大自然が残る中国の風景だが、そこには彼らの「梁山泊」はもう無い…。チャオ・タオの怪演が凄かった!それにしてもこんなに中国社会にどっぷり浸かった作品をカンヌがよく評価したもんだと思う、審査員が相当中国に理解があるのか?非常に謎。
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