Ryoko

罪の手ざわりのRyokoのレビュー・感想・評価

罪の手ざわり(2013年製作の映画)
3.6
肥大化する中国という大きな箱の中で貧しさや閉塞感に苛まれながら生きる人々が罪を犯す(一部例外あり)姿を描いたオムニバス。事情はそれぞれながら、皆何かに憑かれているような静けさが付き纏い不気味さを感じさせる。絶望感、閉塞感、孤独、僅かな反抗心。剥き出しの暴力描写はなかなか激しい。
あえてなのか登場人物たちの表情の変化が乏しい。またこちらもあえての演出なのか出稼ぎ労働者たち、春節で里帰りする群集、村の権力者を讃えるために集めさせられた人たち、工場で黙々と作業する工員たち、みな顔つきが画一的。人間らしさとはいったい何だろうと根本的なことを考えさせられた。
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