罪の手ざわりの作品情報・感想・評価

罪の手ざわり2013年製作の映画)

天注定/A Touch of Sin

上映日:2014年05月31日

製作国:

上映時間:133分

3.7

あらすじ

村の共同所有だった炭鉱の利益が実業家に独占されたことに怒った山西省の男。 妻と子には出稼ぎだと偽って強盗を繰り返す重慶の男。しつこく迫る客に我慢できず切りつける湖北省の女。 ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男——。 虐げられ苦悩する彼らが起こす衝撃の結末とは? ごく普通の人びとである彼らはなぜ、罪に触れてしまったのか? デビュー作『一瞬の夢』以来、つねに今を生きる人びとを真…

村の共同所有だった炭鉱の利益が実業家に独占されたことに怒った山西省の男。 妻と子には出稼ぎだと偽って強盗を繰り返す重慶の男。しつこく迫る客に我慢できず切りつける湖北省の女。 ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男——。 虐げられ苦悩する彼らが起こす衝撃の結末とは? ごく普通の人びとである彼らはなぜ、罪に触れてしまったのか? デビュー作『一瞬の夢』以来、つねに今を生きる人びとを真摯に見つめてきた名匠・ジャ・ジャンクーが、 中国でここ数年に実際に起こった4つの事件を基に、急激に変貌する社会の中で時代の波に乗り遅れ、 もがきながらひたむきに生きる人たちをパワフルに描く、衝撃と慟哭の物語。

「罪の手ざわり」に投稿された感想・評価

箱蛙

箱蛙の感想・評価

3.8
2015/07/24(楽天レンタル)
ジャ・ジャンクー監督の大傑作

先日、本年公開作品『山河ノスタルジア』他1本のジャ・ジャンクー2本立てを観て素晴らしかったので、遅ればせながら、この『罪の手ざわり』を観た。
ジャ・ジャンクー監督の大傑作。(『山河ノスタルジア』といい勝負か…)

この映画、4つの物語から構成されており、「ダーハイという尊重やジャオなる社長らの不正を暴こうとする物語」、「バイクに乗って3人を射殺する冒頭シーンからその後も描かれる妻子のある男の物語」、「サウナで働く女(ジャ・ジャンクー監督作品の常連のチャオ・タオ)の物語」、「職場を転々とする青年の物語」、いずれも素晴らしい。

「全編が名場面」ともいうべき映画であり、「罪に触れてしまうかどうか」の緊張感を始終持続させる凄い映画であった。
▓

▓の感想・評価

4.0
ああなる衝動というのはありそうだけど、ここでそこまで行かせるのは弱い感じもした。けどキレてるのが伝わってくるのでどうしても面白い…
列車を見送る駅員、見送りに車内から手を振るシーンの不穏さ
1部でやめなくてよかった
急激に発展していく国家の片隅に取り残された人々を描く。現実に絶望し覇気もなくした者たちの悲痛な暴走が見ていてどギツイ。やりばのない怒りの矛先がさらに怒りを生むという。社会が怒りを生み人の心が病んでいく様はもうキツイとしか言いようがなく、見ていてしんどいが見応えあり
中国の片隅でひたむきに今を生きる、
四つの魂、四つの事件。

二年後の今となっては
観たことすら記憶にないで候。
重たい内容なのに印象的には軽い。

宣伝では4つの悲劇といった感じの惹句が使われていたが、ギリシャ悲劇的な重厚さ、運命的な悲劇ではなくて、まったく偶発的に起こる悲劇が並べられている。
だから感情移入は出来ない。

起こらない可能性もありえた悲劇。

このレビューはネタバレを含みます

・会社の汚職に復讐のショットガンが火をふかせる炭鉱作業員のダーハイ(大海)、家族に内緒で出稼ぎで殺人強盗を繰り返すチョウ(周)、不倫の男と別れて風俗店の受付として働くシャオユー(小玉)、不注意で友達を怪我させてしまいナイトクラブのボーイとなり同じ職場の女性に恋をする少年シャオホイ(小輝)の四篇の物語を見せながら罪を犯すものがほんとうに悪なのかを問いかける
・それぞれの話の始まりは静かだが、暴力シーンになると目が覚めるほどエグくてその対比が印象的
・シャオユーの顔を札束で執拗に叩き続けるシーンは北野映画でのたけしビンタを彷彿とさせる
・チョウが息子と見上げる花火
・シャオホイと童顔で子持ちの女性との淡い恋と衝撃的な結末
くぅー

くぅーの感想・評価

3.9
my映画館2014#59>これも心に引っ掛かり続ける類の作品です…実話ベースの暴力的な事件に絡む4人のドラマは、それらをちょっとずつ交差させるスタイルで、経済的には豊かになりつつある反面では追い詰められている人々で、キレてしまい人命を失う行為に走るゆえに、万人にはオススメしがたい。
が、中国各地の風景を印象的に切り取り、京劇に動物を効果的に挟み込み、ある意味で寓話っぽく仕上げるあたりは実に巧い。
原題は“天注定”と究極の意味を持たせ、ラストには“あなたは自分の罪を認めますか?”と、我々にも問う。
osa

osaの感想・評価

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あぁ、分かるなぁ。絶対に分かるはずなんてないのに、分かるなぁって、、この映画を目撃した観客、傍観者のはずが知らないうちに当事者に、境目が溶けて見えなくなっていくみたいで、5つ目の事件はすぐそこで起こるかもしれない。しかし、あのふわりとこの世からいなくなっちゃう感じ。人間、終わりなんて、本当にあっけない
自由と平等という言葉からかけ離れたこの国。もちろんどこに行ってもそれらがじゅうぶんに備わった国はないのだが、この国は特に顕著である。
汚職と貧困、男尊女卑、格差社会、そこから沸々と湧き出たものが次第に犯罪へと変貌するのだが、『犯罪=悪』と割り切ってしまっていいものだろうか。
不条理と言えばそうなのだが、そんな簡単な一言で済ませていいのだろうか。
犯罪シーンは非常にエグい!でもあえてこのように生々しい映像にしたのはこの作品に込められた怒りなのだと思う。
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