イペー

MUD -マッド-のイペーのレビュー・感想・評価

MUD -マッド-(2012年製作の映画)
4.0
MUDはMAXなダメ男!

正体不明の男「MUD」との交流を通じて、14歳の少年の成長を描くドラマ。

埃っぽく、ささくれた田舎町で暮らす少年、エリス。
いつもの遊びの延長で、友人のネックと一緒にプチ冒険。辿り着いた離れ小島で、そこに隠れ住む男と出会う所から、物語は始まります。

男の名はマッド。
幼馴染ジュニパーへの一途な愛情と、彼女のために罪を犯した過去。人目を憚って島に身を隠している現状をエリスに語ります。
話の真偽は明らかではありませんが、マッドは少年達に協力を願い出ます。

エリスはネックと共に、二人の逃避行を手伝うことを決意します。
大人同士のイザコザに巻き込まれながらも、ひたむきに行動するエリスの姿が淡々と描かれる前半。

一体何が、エリスを突き動かすのか?

エリスは、不仲な両親の板挟みに悩み、感情の置き所を求めて葛藤しています。
若さゆえの純粋な心で"不変の愛"を信じ、マッドとジュニパーの二人に、自らの理想を託している。

しかし現実は、そう甘ったるくもいかない訳で…。

エリス役のタイ・シェリダンがイイ!
等身大のあどけない表情と、物憂げで大人びた表情が共存しています。

ともすれば、ぶっきらぼうとも言える抑揚の無い演技。
しかしながら、セリフや表情の端々に細やかな感情の揺れ動きが滲んでいて、間違いなく彼がこの映画を引っ張っている!

監督の演出も大いにあるんでしょうけど、
抑えた感情が爆発するシーンでは、一気にハートを持っていかれました。

マッドを演じるマシュー・マコノヒー。
胡散臭さの中に不器用さが見え隠れ。
終盤に起こる、ある事件。
信じてたよ、マッド…。
なんつー顔するんだ、マコノヒー!
アンタ、最高だ!ウオーッ!

思わず興奮してしまいましたが、ラストの急展開や終わり方には、好き嫌いがありそうです。
確かにちょっと強引かも…。

何かを拾い上げるのに、何かを捨てなくてはならない。一人の少年の青春物語であり、ダサくて泥臭い純愛物語でもあります。

マッドに信頼を寄せるエリスは、人を愛することにつきまとう難しさを、同時にその素晴らしさを、肌で感じたことでしょう。
ダメな大人である自分にとっては、"刺さる"映画でございました。

…誰かを深く想っても、表現の仕方がヘタでヘタで…ってねえ、自分のことじゃないですよ。
全然共感デキナイワー(棒読み)