ニニ

7番房の奇跡のニニのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2013年製作の映画)
3.2
子供の知能しか持たない父としっかり者の幼い娘。慎ましくも幸せに暮らしていたのに引き離されて……。
子供のように純粋すぎるがゆえに悲劇に巻き込まれてしまう一方で、その純粋さと親子2人のお互いを思い合う姿は周囲の人々の心に暖かな光を灯し。
そんな設定だけだとどこかで聞いたことのあるような話に思えますが、斜に構えず素直に身を委ねて観るのが良いと思う。

さすが『情』の国、韓国。情緒に訴えかける演出は毎度ながら抜きん出ている。
刑務所の柵越しの親子の別れのシーン。まだ7歳になったばかりの娘ちゃんが、少しずつ少しずつ柵の奥へ奥へと身を移しながら少しでも遠くまで懸命にパパの姿を見送るのが本当にいじらしくて、堪らなかった。
私がもし娘を持つお父さんだったら嗚咽してるんじゃないかな。

長くはないけれど韓国で暮らしたことがあります。老若男女、子供嫌いな韓国人を見たことがありません。
同室の囚人おじさん達があっという間にイェスンちゃんに甘々になっちゃう微笑ましさがリアルでなんともチャーミング。
罪の無い人が理不尽に悲しい思いをする話はしんどくて何度も観られないけれど、このおじさん達会いたさに平和なシーンだけまた観たいな。

절 태어나게 해주셔서 감사합니다
아빠 딸로 태어나서 고맙습니다
ニニ

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