「東京難民」
どこにでもいるごく普通の大学生だった修は、授業料の未払いを理由に大学を除籍される。
原因は、実家の父親が借金を抱えて失踪したため。
仕送りに頼った生活をしていた彼は、家賃も支払えずアパートを追い出さる。
ネットカフェに泊まりながら日払いのバイトで食いつなぐが、ある日、だまされて入ったホストクラブで働くことに。
ホストの裏側を見てしまった修はその世界から抜け出すことができず、若くしてホームレスにまで転落してしまう。
主人公は根は良いヤツだけど、短絡的で「今」しか見えてない。
だけど、行動にいちいち共感できてしまうのは、世代的にかなりうなずける状況設定だからだと思う。
「お金」の意識のさせ方とか、必要以上に過剰な演出をしないであくまでも現実感を持たせようという作り方に、どんどん入り込んでいった。
主演の中村蒼含め若手俳優と、脇を固めるベテラン勢の存在の仕方が自然なうえになんだか魅力的なので、ものすごく重たい2時間をついて行ける。
自分だって、明日からあぁなる可能性はある。ホストにはなれないだろうけど。
この作品を新宿で見られたのも良かった。映画館を出た瞬間、映画の世界が広がっていた。
見終わったあと、世界の見え方がちょっと変わるような作品。
みんな、生き残るのに必死なんだなぁ‥‥。
現状に不満ばかり言ってる自分が、ちょっと恥ずかしくなった。
主題歌も良し。