危険な関係という題材自体が好きだけど、せっかく1930年代の魔都上海を舞台にしているのに、それを活かしきれていない気が。
日本軍の侵攻や上海事変へと繋がるのかな?政治的な側面も少し描かれていて、恋愛をゲームのように楽しむ退廃的で煌びやかな上海社交界の“終わりの始まり”が見えるのに、それが本筋の恋愛と上手く絡め切れてなくて、劇的さが足りないような。
ラストも、チャンドンゴンとセシリアチャンこそが同じ穴の狢で、二人こそ離れられない関係なんだって分かるような終わりにしてほしかったなー。二人とも、人間らしい情けなさと純粋さを持つ男女なのに、社交の恋愛の中で肩肘張ることでしか生きられない。そういうおかしみやかなしみや絆を描いてほしかったかも。
30年代のゴージャスで危険な街・上海の雰囲気は感じられるけど、所々今っぽさがあったり、ちょっと中途半端で、もっとこってりと匂い立つ絵にしてほしかったような。
とか言いつつ、結構映画の雰囲気は楽しんだ!
チャンドンゴンの“ザ・ハンサム”もショーンドウの素朴エロ具合もよかった!
やっぱりチャンツィー的な貞淑(風)女のしたたかさが一番怖いよなー