ユースケ

邪願霊のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

邪願霊(1988年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アイドルの新曲のプロモーション活動を追うドキュメンタリーのはずが、新曲が巻き起こす心霊現象によって新曲の呪いを追うモキュメンタリーに変容する本作は、小中千昭が提唱した幽霊をリアルに描く作法=小中理論を実践し、心霊写真のような心霊映像を作り出した Jホラーの原点と呼ばれる一本であり、探求と代償、日常に介入する非日常、そして、新曲のタイトル「ラヴ・クラフト」によって小中千昭がラヴクラフティアンである事が確認できる一本。

本作が醸し出す絶妙な胡散臭さが思い出させてくれるのは日本が世界に誇るモキュメンタリー映画の雄である白石晃士監督の作品が醸し出す絶妙な胡散臭さ。白石晃士監督はJホラー創生期の空気感を再現しているのだと納得しました。幽霊が暴れ回るクライマックスのぶっ飛んだ展開も受け継がれている気がします。

エンドクレジット後、水野晴郎先生の稲川淳二風の怖い話や竹中直人の悪ふざけが収録されているのでMCU作品と同様に最後までしっかり鑑賞しましょう。