イペー

胸騒ぎの恋人のイペーのレビュー・感想・評価

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)
3.8
ぼーくードランえもん!

"若き天才監督"グザヴィエ・ドランが、恋と友情に翻弄される男女を描くラブストーリー。

オサレから縁遠いヘッポコ野郎の自分。
ドラン君の様な、才能豊かなド・イケメンに、センスの塊を無邪気な笑顔でぶつけられたら、もっとイライラしてもおかしくないんですよ、ホントは…。

何故だろう…イラつくどころか、むしろニヤニヤしてるじゃない…。
ちょっとハニカんでるじゃない…私…。
…えー、女性が大好き‼︎
と確認したところで、本作。

感情と感情が、調子っ外れにダンスしているんです。奇妙なおかしみを漂わせて。
ナルシスティックなモテ男を間に挟み、親友同士の一風変わった"恋の鞘当て"でございます。

ドラン君が演じるのは、繊細なゲイの青年、フランシス。
前作と同じく、彼の実像が投影されているのでしょう。相変わらず、悔しいくらいに美青年ですな。

親友のマリーが、いつの間にやら恋敵に。一人の男性を巡る、二人の男女のジリジリとした駆け引き。
両名とも不器用で、"恋は盲目"状態です。
彼らの空回りが、どうにも滑稽で愛おしい。

人物と人物の距離、カメラと人物の距離、
どちらも狭苦しさを感じる程に接近してます。またしても特徴的な構図。
前作では親子愛、そして本作では友情と恋。どちらも間合いの取り方が難しいって事ですかね?

セリフやBGMの配置の妙。
服装や背景の隅々にまで行き渡る、色彩の美しさ。
理性よりも感覚に訴えてきます。

思いの外、嫌味が無いっていうか、屈託が無いっていうか、不思議と心地良いんだよなぁ。説明はできないんですけど。

フランシスのヘタレぶりが、また…。
愛する彼のシャツの匂いをクンクンしながら、ドラン君が自分のドランをドランする場面。
それすらも女性の方が観れば「カワイイ!」ってなるんでしょうね。ズルい!

スローモーションの多用や、度々インサートされるインタビュー風の映像とか。
やり過ぎなきらいはあるものの、これまた発展途上なドラン監督の魅力とも取れます。まだまだ二作目ですよ。

イビツでイタい、片想い。
恋の魔法が解ける瞬間は、ゲイ、ノーマルを問わず、訪れるのでした。
キッパリと懲りない二人の姿に拍手!

…片想い、したくても出来なかったなぁ。
自分が好きになる前に、相手が自分の事、好きになっちゃうのが、当たり前、だったん、だよ…ね…アレ…意識が…遠のいて…。