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胸騒ぎの恋人のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)
4.3
フランシス(グザヴィエ・ドラン)が好きになった人は、親友マリー(モニア・ショクリ)も思いを寄せるニコラ(ニール・シュナイダー)という青年。
二人ともニコラに首ったけなのに相手の内心を探るために悪口を言ったり、ニコラの思わせぶりな態度にどぎまぎしたり。複雑な三角関係の中、片思いの歯がゆさや嫉妬心に身もだえする……。
デビュー作「マイ・マザー」では母親と息子の愛憎劇をストレートに描いたグザヴィエ・ドランが、片思いが交錯する三角関係を描いたビターなラブコメディに挑戦した監督第2作。
ニコラが悪気なく発する甘い言葉や行動にマリーやフランシスが一喜一憂したり、恋のライバルがいない時にライバルのイメージを下げることを言ったり、片思いの相手とライバルが仲良くしているとイライラしたり、片思いしている時のイタさがリアルに描かれるので、見ながら「あるある」と笑ったり泣いたり楽しめる。
片思いしているマリーやフランシスの気持ちを「バンバン」(タランティーノの「キル・ビル」で使われた曲)で表現するなど、音楽の使い方が絶妙だし、グザヴィエ・ドランの小物やファッションやライティングのセンスの良い色彩感覚が冴え渡っている。
グザヴィエ・ドラン初心者にも楽しめるビターなラブコメディ映画です。
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