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胸騒ぎの恋人の3Dメガネのレビュー・感想・評価

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)
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※ネタバレあり
※以下主張は全て個人の考えに過ぎません
『胸騒ぎの恋人』
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【テーマ】
[圧倒的な美]
圧倒的な美形をもつ青年に恋心を抱いてしまった
1人の青年と1人の女性。
本作で描かれるのは、圧倒的な美を前に
心を奪われてしまう人の高揚と転落を描く
一方通行の恋愛は片想いと呼ばれ、
相手の言動に一喜一憂する。
期待値が不明確だからこそ、
喜びはとても大きなものになる。
途中挿入される失恋のエピソードと共に
今回の恋は決して成就ないことが示される。
それでも2人は追いかけ続ける展開に
行き過ぎた片想いは、熱狂へと変貌する様を描く。
半ばアイドルとファンの構成に近いだろうか。
その人間性ではなく、美形に惚れた為
ぞんざいに扱われても嫌う理由にはならない。
自らに興味を示さないことは
好きにならない理由にはならない。


【鑑賞ポイント】
[ファッションの推移]
序盤では
青年を追いかける2人の着る服の色に違いがある。
男性は青色の服を着用し、女性は赤色の服を着用する。
終盤、2人とも赤色の服を着用する。
想いを隠し歪みあっていた関係から、
想いを共有し、傷を舐め合う関係に。
恋のライバルとしての関係から
同じ同士であることを示したものか?
そして赤色であることは、
想いがまだ燃えていることを示したものか?
映画って面白いですね
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【まとめ】
監督の前作『マイマザー』では母との確執、自身のアイデンティティの迷走を描きました。
本作では恋愛場面に焦点を当て、
恋愛における同性愛者の立場も描きました。
衝突を越えた先に到達する優しさや
関係性という部分に
監督の一貫した意図を感じました。
音楽や衣装(特に色)が印象的で
美し映像と重なる映画芸術としても
かなり楽しめる作品でした。
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