もりりた

それでも夜は明けるのもりりたのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.5
ソロモンがバイオリン演奏のスカウトを受けワシントンに行った夜、酷い酔いから起きると小屋で鎖に繋がれていた。自由黒人の彼は奴隷として扱われ先の見えない非人道的な生活を強いられる。
壮絶なシーンが多くてかなりヘビー。最後は光が差した風だけど奴隷制度の根深さが引っかかり素直に感動できなかった💦

容赦ない暴力シーンがどんどんレベルアップ。最初こそ苦々しく見ていたが徐々に感覚が麻痺して感情が無くなっていく不思議な感覚を味わった。パッツィー鞭打ちシーンの様な刺々しさはもちろん、首吊りを爪先立ちで耐えるソロモン放置プレイの静かなシーンもかなり怖い。終始そんなシーンばかり、かつソロモンの顛末は相当レアだと思い、それでも夜は明ける的希望は感じられなかったです…

奴隷制度の酷さの再確認する一方で、その存在感は再考させられた。港で雇い主が現れ泣きながら抱きついたり、前の主人は良かったと過去を振り返る女性のシーンから、必ずしも奴隷制度と迫害はセットではないように感じた。雇い主は上司、奴隷は平社員で、上司のやり方で辛さが変わる会社みたいな感じかな。そもそも人権無視した是正すべき制度なのは合意の上で、イメージと乖離するシーンが印象に残った。奴隷に対する自由黒人の価値観も気になるなー🤔

そんな制度無くしちゃえ!って思うけどバスが手を差し伸べる恐怖を語る様に、声を上げ難い実情が伝わり簡単な話じゃないと感じました。その上キツい描写に押し切られてポジティブな要素を感じられず、ただただ辛い後味が残りました😭
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