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それでも夜は明けるのliamのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.8

自由の身から12年間奴隷として生き、そこから身分を取り戻した男の自伝の映画。

1841年、奴隷制廃止以前のニューヨーク、家族と一緒に幸せに暮らしていた黒人音楽家ソロモンは、ある日突然拉致され、奴隷として南部の綿花農園に売られてしまう。狂信的な選民主義者エップスら白人たちの非道な仕打ちに虐げられながらも、彼は自身の尊厳を守り続ける。やがて12年の歳月が流れ、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。

奴隷制度によって人はこんなにも残酷になれるのかと心底恐ろしくなった。

黒人を家畜並みに扱う描写が続いていく中で、胸がチクチク痛んでいく。

ロープで吊るされているシーンであったり、脱出前のシーンであったり、無音で長回しのシーンが多くて、すごく印象的であった。

色々考えさせられる映画であったが、結局黒人の人間としての尊厳も、白人への罰も与えられていないところがモヤモヤする。
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