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それでも夜は明けるのOtunのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.9
スティーヴマックイーン監督作、『それでも夜は明ける』。初見。

1800年代。奴隷制度が大手を振って横行していたアメリカ。そんな中で幸せに家族と過ごしていた一人の黒人男性が、突如拉致され、奴隷として過ごした12年の史実。

確か『ルーム』のレビューでも書いたのですが、人が他者から人生の時間を奪われると言うのはなんて救いのないことだろうと改めて思った。
人生は有限で、時間は常に前に進み、その先に死が必ず誰にでもある訳だから、その人のその過程を奪う権利は誰にもないし、そもそも『時間を自分の選択で過ごす連なり』、それこそが人生であり、自由や人権の本質だとすら思う。

その上で、タイトル『それでも夜は明ける』。
なんじゃ、この邦題。
このタイトルつけた奴、この映画の何を観てんだろうと激しく思った。

私は、主人公の男性の人生が、"それでも夜が明けた"とは決して思えませんでした。
そもそもタイトル頭の、「それでも」ってのが腹立つ。
は?お前に「それでも」とか、ひとくくりに言われたくねーし。
はい、言葉使いが悪くなってますね。すいません。

文句ばかりに終始しましたが、映画としては黒人奴隷制度を知る上で「マンディンゴ」と並んで、よい作品だと思いました。

原題。Twelve Years a Slave(12年間、奴隷として)。
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