トトCINEMAライフ

それでも夜は明けるのトトCINEMAライフのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.5
アカデミー賞作品賞の本作…監督はイギリスの黒人監督スティーブ・マックイーン

1800年代半ばのアメリカの黒人奴隷の売買や、その人間扱いしない惨たらしさをテーマにした重厚な作品…

主人公キウェテル・イジョフォーの熱演や、綿花農場主役のマイケル・ファスベンダーらの狂気の演技が凄まじい…その妻も女帝のような振る舞い

「リトル・ミス・サンシャイン」で無言の行をしてた変わり者の息子を演じてたポール・ダノも重要な役どころで出演

本作でパッツィー役のルピタ・ニョンゴはアカデミー賞助演女優賞を受賞したが、まさに目を覆う光景をまざまざと見せつけられた

正直、物語のまとめとしては後味が良い訳では無いし、回想シーンと現在進行系のシーンの切り替えが判りにくいという難点は観てて戸惑った…またアメリカの監督の作品では無く過去の奴隷制度を客観視して描いてるという指摘も、分からなくはない💧

個人的だが、自分の行きつけのバーのマスター父娘は日本在住20年近いがアフリカ系アメリカ人だ

こういう歴史や人種問題で語り合う事はないが、実に心が痛い…

そして、映画を長く観続けていて思っていた事・・・主観的ではあるが、特に泣くシーンが多いのはアジア人・黒人…白人が泣かない訳ではないけど、人種差別で虐げられ、屈辱を味わい尊厳を失う時に流れる涙は…白人では無い

劇中のセリフに「これは私が買った私の所有物だ‼」とある、それこそが当時の白人以外には理解出来ない理不尽極まる思考…神だ安息日だ、神に白も黒もなかろうとも…

この映画で、この世や世界に根付く人種差別が無くなる事はないが、商業的と揶揄されようとも影響力の大きいアカデミー賞を受賞した作品なのだから、今よりも更に差別意識の無い世界に近づいて欲しい

主人公のソロモン・ノーサップが先住民とバッタリ出合い、お互い驚きながらも直ぐに意気投合してる極々短いシーンが頭に残る…

これを見た白人層はどう思いながら鑑賞したのだろう?

歴史的に他人種に究極のマウンティングをして、奴隷や軽蔑の対象として扱い、我が子にも有色人種はそういうものだと教え躾ける・・・そして、大国同士の戦争になると、その奴隷にも国を背負わせ戦わせ戦死させる

未だ度々、話題となるアメリカの著名白人の差別発言や態度は直ぐにニュースになる…トランプは逆にそれを煽り政治利用して、アメリカ自体も民衆が分断されて混沌としている

例えば、アフリカ大陸でアフリカ系黒人同士が何かと争っているのが問題だが、問題の本質が違う

もちろん、様々な差別意識が残る我が国 日本も他人事では無い…。