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それでも夜は明けるのleiのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.4
この物語はハッピーエンドで終わるけれど、これは本当に珍しいケースだったはず。
生まれたときから奴隷として使役され、教育だって当然受けてこなかった人たちは主人公の様には助かることはできない。
そして助かる可能性があったとしても、主人公ひとりの力では状況を脱することはできず、やはり自分よりも優位な立場にある白人に頼るしかなかった。そして彼らを助けることができる白人たちも、自分たちが自分たちと同じ人間に対して差別を行い暴力を与え酷使している事実に罪悪感を感じ、同情はするけれども実際に行動に移すことはできない。
人は誰でも自分自身をかわいく思い、その先に待つ苦難から逃れようとする。それは誰にでもある感情だし、そう思うのは当然だと思う。
けれども苦痛、苦難から逃れることができることは一部の人間にのみ認められた権利ではなく、すべての人に平等にあるべきだ。
昨今の状況でもやはり皆に与えられるべき権利、与えられるべきでない困難が未だに平等ではない。
その不平等に対して自分が声をあげ、行動しているかと問われれば答えは否だと思う。まずは自分ができる所から変えていきたいと思った。
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