Ayari

それでも夜は明けるのAyariのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.8
自由黒人証明書を奪われ
黒人奴隷となったソロモン
財産を奪われ家族と引き離され
名前を変えられ
アイデンティティすら奪われ
鞭を打たれ殴られる日々
真っ裸で男女一緒に身体を洗うなんて
羞恥心とプライバシーが皆無で
自尊心すらなくなるだろうな

奴隷として働く場面は
アウシュヴィッツを彷彿とさせるようだった
人間が同じ人間に対して
非人道的な事ができるのはどうしてか
人間ではない物として扱っているからか
自分のしていることが悪くないと
正当化しているからなのか。

ソロモンがつま先立ちで
気にくくられている時誰も助けないのを見て
他人が酷いことをされていても
自分が巻き込まれたくないから
自分は傷つきたくないから助けない
結局人間は自分が大事で
他人に対して自分に向けるような優しさは与えられない
どれだけ親しくても、
苦しんでいるのを知っていても
結局は他人で、人間は苦しい時保身することを最優先にしてしまう
パッツィと別れる時にすごくすごく辛かった
パッツィが生きていたくないほど
苦しんでいたのは知っていたはずなのに。

傷つくのをわかって人を助けるほど
勇気のいることはないし
現在のいじめの問題でも言えることである
傍観者は首謀者と同じ
このことを知っていても尚強くなれない
それが人間だと思う
Ayari

Ayari