つま先だけで何時間も突っ立っているシーンがこの作品を代表するシーンですね。
マックィーン監督お得意の長回しカットのうちの一つのシーン。
ラストも印象的。最近でいうと「オクジャ」的な。
ハッピーエンドと捉えてもいいんだけど、自分だけが…という罪悪感も大いに秘めていたんだと思います。
キャストは悪役を演じたマイケル・ファスベンダーがすごくよかった。狂乱の演技が好きです。
キウェテル・イジョフォーもルピタ・ニョンゴもよかった。アカデミー賞はこの3人ともが受賞したとしても納得でした。
しかしこの作品、個人的に大きな欠点が一つ。
原題は「12 Years a Slave」。12年間というとてつもなく長い時間を苦しみ抜いたんだと視聴者に訴えることが大事だと思うのですが、12年間の年月を描いているようには感じなかったんです。大げさにいえば2〜3ヶ月程度の期間くらいにも感じてしまう。
時間の移り変わりをうまく演出し切れていなかった。ここが自分にとっては大きな痛手でした。