JIZE

ウォルト・ディズニーの約束のJIZEのレビュー・感想・評価

3.7
1964年に発表された名作"メリーポピンズ"の華麗でアナログな世界観とは表裏で時代を遡りつつ映画化と言う約束を果たす裏話に込められた特別な哀感に引き寄せられた。原作者トラヴァース夫人の頑固者で毒舌,気難しい感じとウォルトの厳格さなど映画と現実の困難を紡ぎ出しながらも理想を追い続ける人たちへの希望や絆を高らかに謳いあげる無類の秀作でした。

映画の中盤でウォルトに用意された部屋に夫人が通され一目散にミッキー筆頭の縫いぐるみを足早に片付ける一幕は痛快だった。ウォルトや夫人それぞれのカタチでメリーポピンズへの想いが込められている。本作は名作を土台にしつつ"苦しみ"という影がデカければそれに附随するほど実現した時の喜びも大きい筈であろう。もう一度あの名作が見返したくなります。
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