Tony

大統領の執事の涙のTonyのネタバレレビュー・内容・結末

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

連休にムービープラスで。

原題は The butler
大統領の執事の涙。。。
なんと言っていいのやら。。
これだけグローバル化が進んだ世界で、いまだに邦題は付ける必要があるのでしょうか?

主人公はフォレストウィテカー。
私の中ではデブの黒人のイメージでしたが、
この映画では痩せています 笑
子供の頃、綿花のプランテーションの農奴である主人公は、母を農場主の慰みものにされた挙句にそれに怒った父親を殺されます。お母さんはその後廃人に。。
お母さんがどこかで見た顔だと思ったら、マライアキャリー?!驚きました。
そんな過去を背負いながら、その農場主の家で身につけたバトラーのスキルで大統領の執事にまで成り上がった主人公のお話です。
どんだけ幸運なんだ?というのもありますが、父親を殺した家からもらったスキルで生きていくとか、なんたる皮肉。。

そして、この映画のキーポイントは主人公とその息子たちの生き方の違いから、差別に対する取り組み方の違いを結果まで見せるところです。
主人公は差別に争わず、執事としての仕事で差別と戦っていきます。
一方、息子二人のうち長男は大学から黒人差別に直接的、積極的に戦いを挑み、ブラックパンサーに入信。そして次男はその思いを外に向けて軍隊に入ります。
執事の仕事を優先した主人公は長男とは決裂し、
入隊した次男はベトナムで戦死。。ブラックパンサーに入信した長男は人殺しまで厭わない組織の苛烈さに違いを感じて脱退します。
ただ差別に反対するだけでなく、その選択肢を見せながら、かつ、それぞれの選択肢に結末を見せることで物語は展開していきます。
最終的に主人公は執事を辞め、仕事を理由に長男をないがしろにしたことに対して長男に謝ります。
しかし、私にはどれが正しかったのかはよくわかりません。
ただ、主人公の一貫した執事という仕事に対する誇りだけは、ラストシーンでホワイトハウスを案内しようとする新しい執事に向かって、いらないよ?という、主人公の一言に、何十年もかけた唯一確かなものだったのだと思います。
私も30年会社勤めをした今、主人公と同じく仕事で相手を納得させて、差別をなくす道を選びたいと思いました。
Tony

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