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大統領の執事の涙のはのレビュー・感想・評価

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
4.0
あらすじ
実話をもとに作られた、34年間、8人の大統領に仕えた執事の話。

綿花畑で生まれた奴隷の少年セシル。
白人農場主に父親を殺され、母親も廃人となった。
不憫に感じた農場主の母は彼に、比較的楽な給仕の仕事を与える。
給仕の仕事を覚え、黒人のバーテンダーに拾われたセシルは、給仕として働く事の心構えを叩き込まれる。
しばらくの働きぶりから推薦された高級ホテルで、ホワイトハウスの事務主任を給仕したところ、仕事ぶりを評価されたセシルは、大統領の執事としてスカウトされるのだった。

そこから30年、セシルは七人の大統領に仕える事となる。
父の仕事を白人の言いなりと恥じた長男は反政府組織へ、国の役に立つところを見せたいと、次男はベトナム戦争へ。
彼を取り巻く環境も、時代も、大きく揺れ続けていた。


感想
ダサい邦題以外は全部良かったです。

当時の黒人への差別の歴史はもちろん、それぞれの政権毎の時代の動き等、物語を伴って描かれているので分かりやすく勉強になり、そこだけでもとても面白い。

主人公が働くのは、ホワイトハウス執務室という、世間の状況丸わかりの環境の中。
ホワイトハウス内でも当然ある差別や、世間での黒人への凄まじい差別を知りながら
最初に教えられた給仕の心構えを頑なに守り、忠実に白人に仕え続けるセシルがものすごくかっこいい。

これ、本人も気づかない内に、最も効果的な方法で、白人相手に戦ってるのではないか?
そんな事を考え始めた瞬間に、同じことをしっかり作中で言葉にしてくれていて満足。

すごく最近まで話が進むので、遠く感じてしまいがちな歴史の話から、自分の見てきた、知っている出来事までに繋がる展開はグッときた。
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