スキピオ

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のスキピオのレビュー・感想・評価

4.5
<止まらない悲しみの業(カルマ)、この物語を続けるということはこういうことだった>

"歴史は繰り返さず、韻を踏む"

時間を忘れて楽しむ感覚、幸せだ、最高か。そう上述の言葉のように、偉大な旧作のただの"繰り返し"もしくは"完全スルー"の二元論ではなく、一級のラッパーのように軽やかにリズムに乗り、絶妙なセンスで韻を踏みながら言葉を変え、きちんと旧作にリスペクトを捧げつつもアップデートされた新たな物語を紡いでいたのが素晴らしかった。サンプリング以降の世代の感覚を強く感じた映画。

それでいて「あの人とあの人があれで」っていうわりと知っている人は知っている既知の展開の<ど真ん中勝負>で観客とこの物語を「未来」に連れて行ってくれたJJエイブラムス監督、おつかれさま、ありがとう。でも新三部作のトップバッターを務める監督の特権でスターウォーズの「良いところ」を先にごっそり持って行ったなーと。ずるいぞwこれこの後どうするんだろう(笑)

暗くなりがちなお話を明るくしてくれた主人公レイを演じるデイジー・リドリーの美しくも素朴さのある立ち居振る舞い、フィンのわかりやすさw、BB-8をなぜ上映前にあまり推さなかったんだというくらいのかわいさらしさなど、新登場人物(メカ)のキャスティングとキャラクターの絶妙さもよかった。劇場で歓声の上がったハン・ソロら旧キャストの再登場の味わい深さは言わずもがな。(たしかディズニーに売却時だかにジョージ・ルーカス監督が出てくれるか?ってあらかじめ話通してたんだよね。)

難点として誰しも気になる「あのキャラクター」のスケールの小ささには苦笑。でもまだまだ新シリーズの序の口ということで寛大に、あえての今後の伏線だと思うことにしておこう。あと「007スペクター」ほどでないにしろ、次はコレ、次はコレという感じの「セルフオマージュのスタンプラリー」になっているのは否めず、合わない人もいるかも。

要所、要所のポイント、全体のバランスともに「これしかない」という感じでテンション上がったし、監督の「未来志向」のメッセージに乗れたのは間違いないんだけど、ただこの「物語」を続けるということは、また一作ごとに何かを失い、悲しみとともに旅を続けるということで、「本当にこれ(続編製作)がよかったことなのか?」という思いも沸々と湧き上がってしまっている自分もいる。


少しでも思い入れのある人は、踏み絵と言われるとてもキャッチーなネタバレを踏む前に、ネットを遮断し可及的すみやかに観に行くことをおすすめします。その踏み絵に悲鳴をあげている人もいるようだけど、新三部作世代の自分としては一緒に未来に行けそうです。