おおさこ

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のおおさこのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ファントムメナスと同じ轍を踏むまいと多くの人が警戒態勢の中で鑑賞したと思います。そんな中、ロッテントマトでは現在93%と高評価。とりあえず、J・Jに言いたい〝めっちゃおもろいの作るやん自分、ホンマありがとー〟と。

2014年の『インターステラー』から始まり、『マッドマックス・怒りのデスロード』『ミッションインポッシブル・ローグネイション』と続いたアンチCGの流れ。これを受けて今作も画面に映る異形の生き物やガジェットの数々に街並みも出来る限り、実物を作りカメラの前に置いたそうです。僕らがスクリーンで観たあの光景が実際にカメラの前に広がっていたかと思うと、ワクワク感も倍増です。フィルム撮影による画面のザラつきも、スターウォーズという神話を語る上でファンタジー性をプラスしていてマッチしていました。

ストーリー的には過去作へのオマージュが織り込まれていて、ファンならずぅーーーとニンマリしていたはず。扉のスイッチなどをやたらと銃で撃つ、キャプテンファズマをダストシュートへ、などのスターウォーズあるある、たまりませんね。
それと驚かされたのは真っ赤な血が流れる所です。冒頭のストームトルーパーのヘルメットにべっとりのシーンです。てか、中に人が入ってるじゃんエグーと思わせつつ、一目でどれがフィンか分かる様にもする上手い演出です。
フィンのアップからレイのアップで場面が変わる所も意味深です。お互いマスク姿でかなりはっきりとイメージが重なるので2人が一体どんな繋がりがあるのか、いろいろと考えを巡らしてしまいます。
ハン・ソロとカイロ・レンが要塞の真ん中で向かい合うシーンのライティングも見事でした。カイロ・レンの顔を照らす光は最初は青と赤です。太陽の光が弱くなるに従い青い光が薄くなり、赤い光と暗い影に覆われます。そして、最後はカイロ・レンのライトセーバーに照らされて顔一体が赤い光に照らされます。ライトサイドとダークサイドの狭間で揺れ動くカイロ・レンの葛藤をセリフとは別に描いています。
その後にレイとカイロ・レンが対峙するシーンでもまた〝血〟が印象的に使われていました。カイロ・レンがお腹パンパンして、真っ白な雪の上に赤い血が広がります。ハン・ソロとカイロ・レンとのシーンを経ているので冒頭の血のイメージとはまた違う印象を与えます。アナキンとルークがそうだったように今回もまた血縁をめぐる親と子の物語だと。これでスターウォーズ感が増しましです。
ラストに遂にルークが登場するシーンも、ヨッ!待ってました!言わせんばかりの恐ろしいタメです。どっちから話すと言うか、にらめっこ状態のままお互いの顔のアップが続きます。ここでルークのアップで終わるかと思いきや、空撮で2人の姿をグルッと囲って終わりです。その時こちらに表情を見せているのはレイでした。ここで、あぁー本当にこの神話は新しい人たちに受け継がれたんだなぁーと胸が熱くなりました。

僕は過去の6作は全部観てますが、さして思い入れがあるわけではありませんでした。しかし、この『フォースの覚醒』へて改めて過去作全てが特別な愛おしい映画になりました。
改めて、J・J ありがとう。そして早く2年後こい!!