NONAME

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のNONAMEのレビュー・感想・評価

3.2
先日YouTubeか何かで観たので 映像だけを手掛かりにレビューするけど オープニングを観ただけで震えた。 そこにファンタスティックな映像が絡むと 僕はすっかり映画にはまることが出来る。アップリフティングで ドライヴ感が効いたカイロ・レンも素晴らしい。あるいはドリーミーで なかばロマンティックな(月並みな言い方ですが…)スペースオペラとしての情景。そう 『スター・ウォーズ』は悲しくない。それはよりいっそう美しく響いている。そしてすべてのシーンからは危険を顧みず前に進もうとする情熱を感じる………『スター・ウォーズ フォースの覚醒』は 僕のような人間にさえもまたSFを信じてみようかなと思わせる作品だ。多くの人がこのシリーズや関連作品を賞賛することに何の異論はない。

70年代に誕生した アドベンチャー映画のサブジャンルとしてのスペースオペラ・SF『スター・ウォーズ』には理想主義がある。理想主義とは 世界は 良い方向に変えられるという考え方だ。公民権運動とブラック・パワー/ベトナム戦争/オイルショック 60年代のカウンター・カルチャー 70年代のパンク 80年代のエクスペンダブルズ組等々にはそれがあった。だが しかし今や 世界は変わらない 変わりっこないというシニシズムの方が有力だし 人はシニシズムに共感したがる。そんな中で『スター・ウォーズ』プロジェクトは理想主義を放棄することなく 未だ戦っていると言いうる数少ない映画だ。(世の中のネガティヴな動きと戦い 巷にはびこるシニシズムと戦っている)。昨年の『最後のジェダイ』のような日本のメディアでの紹介や宣伝形態も 配給会社の政治的野心からなせる技だろうけど それはまず超大作だから可能であって それによって日本上映スルーになりえてる作品もあるわけだから そういう点にも気をまわして欲しいと思う。まあ その話はおいておこう。繰り返すようだが 映画を観ている限りは何の不満もないのだから。やはり『スター・ウォーズ』シリーズは いくらギャグが好きでもギャグがヘタクソで しかしシリアスな映画にかけては未だずば抜けていると言えよう。
NONAME

NONAME