おやすみ

ダラス・バイヤーズクラブのおやすみのレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
3.8
公開当時から観たかった作品をようやく鑑賞することが出来た。観たかった癖にしっかりとしたあらすじは覚えておらず、酒とドラッグとセックスに入り浸った疫病みたいな男がエイズで余命宣告されて死ぬ間際まで奮闘するサクセスヒューマンドリームでしょハイハイとか思っていたら、あら、これ、実話を元にしていたのね…エンドロールを前にして驚愕しました。

こうしたジェンダーを取り扱った作品は見ていて感心する事が多い。それは敬意にも似た感情であると私は思っている。人は自分自身を知ることも大切だ、しかし自分じゃない者、言わば他者から気付かされる感情や物事が実は多い。マシューマコノヒー演じるロンも同性愛者に偏見の目を向けていたが、いざ自分が忌み嫌っていた者と同じ立場に立つという状況になれば自然と行動や感情が変わっていった。生への執着、死への恐怖、ロンの生きるバイタリティに視聴者もぐんぐん引っ張られているような感じがした。

最初はただのカウボーイ、として見ていたし会員制のクラブを設立し金儲けしながらも自分と他人の命を救おうとするロンも豹変とは思わなかったな。きっと彼は頭の切れる行動力おじさんだったのだろう。今回、このエイズという大きなきっかけが彼の元あった力をここまで引き出す要因になったのだと私は考える。人間些細な事でもきっかけひとつで白黒大きく変われるんだよなあ。

二人の役作りと演技に脱帽、そしてマコノヒーはサングラス似合いすぎやはりイケメン事件、あの生命力溢れる大量の蛾がはためいていた映像が脳裏に焼き付いたまま私は寝ようと思います。続く耳鳴り、世界が自分一人だけになる感覚、それでも彼は手綱を握って生と戦っていた。カウボーイ、かっこいいぜ