てるる

光にふれるのてるるのレビュー・感想・評価

光にふれる(2012年製作の映画)
3.8
盲目のピアニスト、ホアン・ユィシアンの実話を基にした台湾映画。

ちなみにホアン・ユィシアン役はご自身で演じてらっしゃる。

ユィシアンご本人のインタビューを読むと、実話とフィクションは半々くらいなんだそうな。

幼い頃の記憶がトラウマで表舞台に立てなくなったユィシアン。
ピアニストになる夢を叶えて欲しいお母さんは彼を実家から離れた学校へ通わせることを決意する。

このお母さんが心を鬼にして我が子を送り出す心情を思うとなんだか泣けてくる。

障害者に対して偏見の目で見てくる同級生たちもいれば、親身になってくれるルームメイトもいる。

このルームメイトのキャラが良い塩梅にウザ濃くて面白かった。

そしてダンサーを目指す女の子との出会いが彼の人生を大きく変える。

心を傷付けてくるのも人間だけど、心を癒してくれるのも人間なわけで。
引きこもりを続けてもトラウマは改善しないんだろうな。

ダンサーを目指す女の子も家族に問題を抱えてて、ユィシアンを一方的に助けるとか安易な恋愛ではなく、お互いに良い影響を与えあってるのが良かった。

単純にピアノ音楽だけでなく、サークル活動としてバンド形式なのが楽しい。
ラストのコンクールも良かった記憶。

もう半年くらい前に観たのでうろ覚えだけど、妹ちゃんが可愛かった気がする。

「光にふれる」というタイトルは英題まんまなんだけど(台湾語では光に向かって飛ぶかな?)、盲目のユィシアンだけでなく、ユィシアンと関わった人達すべてに言えることなのかも。
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