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野のなななのかのromioのレビュー・感想・評価

野のなななのか(2014年製作の映画)
4.5
青い空。動かない。夜。
最高。

これもマジで面白かった!!
シネマゲルニカ最高!!
長岡花火で完全にヤラれてしまい、以来、大林監督のワールドをさまよっています。

三部作の他ニ作に比べると"ヤバいシーン"もほとんどなく、そもそもストーリー自体が死者の四十九日を描いたものなので、すんなりとその不思議な雰囲気に大林演出が馴染んでいる印象です。
何もないところから、感情が全て爆発する長岡花火に比べて、死から始まり四十九日で物語が収束していく今作。
生と死が混じった世界観、北海道の芦部の美しい街並みに、パスカルズという楽団の音楽が心地よい。
反戦、反原発をただ訴えている映画ではなく、監督自身のいろいろな想い入れもめちゃくちゃあるなか、それらが消化されていく、想いが受け継がれていくというところまで作品が仕上がっているというのは、芸術の終局系?の一つではないだろうか。すげーよ。
登場人物多いし、早口だし、意味わかんねぇという意見も分かるが、作りたいという気持ちがのっかってる作品はやはり何か心に訴えてくるものを感じるのもまた事実。
これからもずっと見ていきたい!

まだ手を出していない方には、是非とも長岡花火を見ていただきたい。
一度ワールドに足を踏み入れれば、もう全部すっと物語が流れ込んでくる。マジでおすすめだ。
あと、安達祐実を久々にみたが、どんな若い役でも違和感がないことに驚く。
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