じゅんP

野のなななのかのじゅんPのレビュー・感想・評価

野のなななのか(2014年製作の映画)
3.8
川底の小石の視点に立つと目まぐるしい川の流れに自分の存在を見失いかけるけど、俯瞰で川を見れば小石のような存在の蓄積がその流れを成していて、さらにはそんな視点の切り替えから一瞬にして雨や土地、その歴史と紐づく感情なんかにまで到達してしまう飛躍に、存在は小石のまま脳がギンギンに拡張して本質へと近づいていく。

人と人、彼ら彼女らのドラマとドラマの接地面はきっと普段目にしている映画やドラマのそれよりももっと混然としていて、流れる水の境界が見られないように、知らず知らず繋がり巡り続けている。

目の前の現在と通り過ぎていった過去と、生と死と、己と個と。豊かな音の流れを意思の介在した線引きが断ち切ろうとしている。見据え続けなければダメだ。
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