青二歳

FLYING BODIES a Hiroyuki Nakano Nonfiction Filmの青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【ローザンヌバレエコンクール開幕記念】頑張れ日本勢!
青森大学男子新体操部(日本で生まれたスポーツ種目)が代々木体育館にてステージパフォーマンスに挑戦するドキュメンタリー。芸術点のあるスポーツでよく議論があるでしょうが、私見ではスポーツはあくまでスポーツ、優劣を競う以上パフォーミングアーツでもダンスでも無いと考えていますが、男子新体操ステージ…これは中々示唆に富んだ試みでした。
ステージ構成・振付は振付家のDaniel Ezralowダニエル・エザロウ氏なんですが、基本的に青森大学男子新体操部の面々の身体言語はまず"体操"の域から決して出ないのが大きな特徴です。コンテンポラリーダンスのような新しい舞踊言語とは仕上がっていない。どこまでも"体操"の身体。しかし、エザロウ氏振付の"体操"から逸脱した身体言語がある。そしてその振りを"踊れる"身体能力がある。いやーこれは面白かったですね。

スポーツの目標は何か?優勝する、勝つ、日本一になる、記録を残す…。その先はどうするの?プロフェッショナルになる、スポンサー見つけてアマチュアで続けオリンピックを目指す、教師になる…。では男子新体操の彼らにプロフェッショナルの道はあるのか?と考え、指導者が青森山田高校から青森大学へ繋がる7年間のプログラムを考えたらしい。これは大きな事ですね。さらっとインタビュー流してましたが超画期的な事ですよ!!
そして今、シルク・ド・ソレイユ等で"パフォーマー"として活躍する方を輩出したとか、プロフェッショナルとしてダンスユニットをくんだり(これは日本では茨の道ですが頑張れ!!)とかされていると!いやスゴイ。新体操だからできた事、名門の青森だから達成できた事でしょうが、指導者がプロフェッショナルへの道を示されたのは素晴らしい。

ステージに関しては、見てもらう方が早いですが、特にユニゾンのムーブメントは素晴らしい。バレエのコールドでも…東バのベジャールの男子のユニゾンなんかより全然クオリティ高いです。

どーでもいいが振付家のダニエルエザロー氏の肩書がDVDクレジットだとステージなんちゃらコレオグラファーってあるんだが普通にコレオグラファーで良くないか?
青二歳

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