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17歳のakrutmのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
4.5
若い少女の性に対する興味・好奇心や失望、それに伴う精神的不安定さなどがしっかりと描かれていて、個人的にかなり満足度の高い、秀逸な作品です。

イザベルを売春に走らせたのは、夏のバカンスでの初体験で感じた性行為そのものの滑稽さや期待との違いからくる失望。こういう感覚って、女性のほうが感じやすいのかもしれない。性に対して失望し無関心になったイザベルは、性行為の神聖さを否定するかのように、別にお金を稼ぎたいわけでもないのに、見知らぬ年上男性との売春にのめりこんでいきます。その後、いろいろなゴタゴタに巻き込まれますが、映画全体を通じて一貫して描かれているのは、彼女の性に対するこのような(無)感情です。これを愚かしさで片付けてしまうのは簡単ですが、彼女にとっては愚かしい行為とは言い切れないのです。

本作では、少女のこのような感情がとても説得力をもって描かれているし、イザベル役のマリーヌ・ヴァクトの演技も優れています。(とはいっても、実際のマリーヌはこのときには20歳を過ぎていましたが。)こんな彼女でも、弟と仲良しなのはなんだか微笑ましかったです。
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