ムスタファケマル

そこのみにて光輝くのムスタファケマルのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.0
育ちが悪く決して善人とは言えないが根は真面目だったりいい奴だったりする、登場人物全員に魅力があった。
池脇千鶴演じる千夏のあのだらしないが、いかにも汚いオヤジに抱かれ水商売に体を売ってそうなポッチャリとしたいやらしい体。何度もベッドシーンがある本作で体だけでバックグラウンドがじりじりと伝わってくる。
菅田将暉演じる拓児は言葉遣いも容貌も汚く前科者だが1万円貰ったら寿司を家族と食べるために使いメシを旨そうに食う魅力的な好青年。
登場人物全員に好感がありますが、自分としてはこの2人のこの感じが特にたまらなく好きでした。
そしてベッドシーンもただやらしいだけじゃない。その時その時のセックスで全然違うし同じセックスでも全然関係や内容が違う。

救いようのない底なし沼のような作品だが、もがき続ける中で見えた一筋の光。そこにすがろうとする姿がとても印象的です。