Ellie

そこのみにて光輝くのEllieのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
3.8
"そこでしか生きられない人たちがいる。
そこでしか光れない人たちがいる。
でも、そこでだけ光り輝くことができる。
『そこのみにて光輝く』にはそんな肯定がありました"

池脇千鶴のこの映画に関する一言。
題名のそこには、その場所と、 千夏が生きてきたようなどん底の底の2つの意味があるというのを読みました。

拓児と千夏の複雑な家庭に、過去に傷を負った達也が現れ、その中で達也の愛で諦めた人生に一筋の希望を見出して走りだそうとする彼らと、彼らに出逢って、また達也も前に踏み出そうとする。

闇。病む。鬱。ツライ。
久々にいやーもうやめて・・ってなる映画を観た。
でも、それでも千夏と達也はキレイなんだぁ。不思議と。

海の中で千夏と初めてキスをするところで、初めて達也が笑うシーンが好き。

いつもおちゃらけてる拓児が達也に本気で殴られまくった後に2人でタバコ吸って、
泣きながら喜んで欲しかっただけなんだって言って抱き合うシーンがたまらない。

達也と拓児と千夏が3人でやっとみんなで足並み揃えて門出を祝おうと笑顔で乾杯するシーンが好き。

池脇千鶴の演技は昔から大好きなんだけど、これはすごかったな。
女優魂ぶつけまくったし、清純なイメージだけど、こういうホントに廃れた役もハマっちゃうところがいい。

達也の前で本来の千夏の優しい女の子になっちゃう時の話し方っていうか、声っていうか、すごく優しくてあったかくて、聞いてて心地が良かった。

ストーリーはとてつもなく重いけど、映画の雰囲気、俳優陣の演技力すばらしかった。
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