矢吹

そこのみにて光輝くの矢吹のレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.1

ラストシーンの光り輝く2人。そこからタイトル。エンドロール。
恐れてたことが起きたなって率直に。何も解決してない。やられたって。素晴らしい映画だな。
やっぱり夢を見せないこともできるのが映画。

陰鬱で閉鎖的なあの街で、選べないものばかりの人生をそれぞれが生きてる。出てる役者がすごい。
終始、波や風や街や息遣いや踏まれる土の音までが強調されてて、強烈で、映画の雰囲気を醸しまくり。少しでも美化されたものがあれば、あのラストがこんなにしんどくて綺麗なことはなかった。はず。
これもまたリアルなんでしょう。

タバコとか、ああいうキャラクターを作る上での必須アイテムみたいになってるものは、これ、どこから始まったかわからないけど、無限ループですね。言葉足らず。

見終わって、ベランダで久しぶりにタバコを吸った。その時の自分は綾野剛。誰がなんと言おうとタツオになって吸った。
自分の人生が一度きりだから、他人の人生を生きることが出来る物語というものには意味があるって言葉を思い出した。
一瞬間でも自分から離れられる。
タイミング的にではあるけど、そんな映画の当たり前な良さに立ち返れたので割と高得点。
矢吹

矢吹