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午後の網目のsonozyのレビュー・感想・評価

午後の網目(1943年製作の映画)
4.0
キエフに生まれ、ユダヤ人迫害を逃れアメリカに移住し、チェコから亡命中の映像作家アレクサンダー・ハミッドと出会い結婚。1943年、26歳の時に二人共同で制作&出演した本作(約14分)で、カンヌ映画祭で実験部門のグランプリを受賞し、以後のビジュアル・アート史に決定的な影響を与えた。
その後、彼女はヴードゥー教の研究に傾倒し、ハイチで芸術の女神として崇められるまでになり、ダンサー、文化人類学者、巫女、映画作家..多様な活動でアンディ・ウォーホル、ジョナス・メカス、マルセル・ドゥシャンなどから注目を集めたが、1961年、44歳の若さでこの世を去る。
・・といった情報も知り、こんな女性がいたんですね〜とまた新たな出会い。

当初は無声作品でしたが、1959年にマヤの依頼で作曲家・伊藤貞司がスコアを付けたそう。"雅楽"風味のサウンドが面白い。
https://vimeo.com/254789239
https://youtu.be/kmrZ6aDAYVg
※マヤは伊藤と1960年に二度目の結婚をしたそうです。

長いマネキンの手が道の真ん中に花一輪を置く。
花を手に取り歩く女と影。
玄関の鍵が階段から落ちる。
玄関を開ける女。
テーブルの上のパン切りナイフ。
受話器の外れた電話。2階への階段。
風に揺れるカーテン。
空転するレコードを止めて窓辺の椅子に座り目を閉じる女。
・・顔が鏡の人間。。彼女の夢の中なのか...
少しづつ変化しながら反復されるシーン。

彼女の神秘的な容姿も魅力ですね。
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