ひこくろ

Seventh Codeのひこくろのレビュー・感想・評価

Seventh Code(2013年製作の映画)
2.7
なんだ、これ。
思い付きとイメージだけで作られたのか、と思うぐらいに酷い。

小学生ぐらいの男の子が喜んで想像しそうな内容なのは、まだいい。
そういうぶっ飛んだ拙い設定でも、面白い作品はいくらでもある。
が、この映画に関しては何から何までもが酷い。

物語はなし崩し的に進み、次から次へと後出しじゃんけんのように新しい展開が出てくる。
しかも、そのどれもがご都合主義か、やっつけ仕事のようにしか見えない。
登場人物は、これでもかと説明台詞を語り、自分の感情さえもすべて語りで説明する。
キャラクターとしてもブレブレで、行動に一貫性がないから、人物も立ってこない。
ロシアのマフィアとかも出てくるが、そういう人たちというだけで、細かい描写もされない。
当然、何の怖さも湧いてくるはずがない。

一目惚れした男性を追ってロシアまでやってくる主人公は、その時点で何かがおかしい。
行動は何から何まで自己中心的で、目的のためなら不法侵入や窃盗も自然な振る舞いのようにやる。
その異常さはちょっと常軌を逸していて、観ていて少し怖くなるほどだ。
でも、この部分を大切にすれば少しは面白くなったとは感じる。
それを映画は最後の最後でやはり台無しにする。

とどめは、ラスト近くでミュージックビデオのように前田敦子の歌が入るシーン。
こうなると、苦笑することしかもはやできくなる。

ロシアで撮影している点と、役者さんがそれでも頑張っていた点を除けば、いいところがまったくない。
まるでダメな映画の見本のようだった。
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