ピートロ

Seventh Codeのピートロのレビュー・感想・評価

Seventh Code(2013年製作の映画)
3.3
前田敦子の同名曲のMVとして作られたという経緯からも推察できるように、ハードルを下げてのぞむべき作品。
とはいえ風にゆれるカーテンや、意味不明の爆発などみどころはあった。
監督は『旅のおわり世界のはじまり』でも前田敦子とタッグを組んでいたし、彼女のことがお気に入りなんだろうなあと思った。

他のユーザーの感想・評価

なんだ、これ。
思い付きとイメージだけで作られたのか、と思うぐらいに酷い。

小学生ぐらいの男の子が喜んで想像しそうな内容なのは、まだいい。
そういうぶっ飛んだ拙い設定でも、面白い作品はいくらでもある。
が、この映画に関しては何から何までもが酷い。

物語はなし崩し的に進み、次から次へと後出しじゃんけんのように新しい展開が出てくる。
しかも、そのどれもがご都合主義か、やっつけ仕事のようにしか見えない。
登場人物は、これでもかと説明台詞を語り、自分の感情さえもすべて語りで説明する。
キャラクターとしてもブレブレで、行動に一貫性がないから、人物も立ってこない。
ロシアのマフィアとかも出てくるが、そういう人たちというだけで、細かい描写もされない。
当然、何の怖さも湧いてくるはずがない。

一目惚れした男性を追ってロシアまでやってくる主人公は、その時点で何かがおかしい。
行動は何から何まで自己中心的で、目的のためなら不法侵入や窃盗も自然な振る舞いのようにやる。
その異常さはちょっと常軌を逸していて、観ていて少し怖くなるほどだ。
でも、この部分を大切にすれば少しは面白くなったとは感じる。
それを映画は最後の最後でやはり台無しにする。

とどめは、ラスト近くでミュージックビデオのように前田敦子の歌が入るシーン。
こうなると、苦笑することしかもはやできくなる。

ロシアで撮影している点と、役者さんがそれでも頑張っていた点を除けば、いいところがまったくない。
まるでダメな映画の見本のようだった。
木下

木下の感想・評価

3.0
前半中盤が退屈で眠すぎる
旅する女性のドラマと見せかけて、後半でヒロイン映画に切り替わる展開は面白い
無駄にアクションがカッコいい
意外とハマってる前田敦子がいい
もう少し話の部分に面白さをプラスできるともっと良かった
N

Nの感想・評価

3.3
扉のない廃墟にテンキーロックの暗証がついてるのおもしろすぎる。「ここには見えないバリアみたいなものが存在しているのだ」と観客が勝手に合理的な補完をしてしまうという、黒沢清が繰り返し言及してるフィクションの方法論みたいなもので遊びまくってる。『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』は本作のアクション・シーンのための習作として撮られたような気がする。MVのための映画だとは知らずに見始めて、前田敦子が歌い始めたときには何をトチ狂ったのかと思った。イージー・ライダーのようなラストショット。前田敦子は左利き。
takeit

takeitの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

部屋の間取りで明暗が分かれてるとか、赤いカーテンが靡くショットが好き
爆発オチかーい
コメディですよね。
少なくともそう捉えました。

黒沢さんの感覚がもうそれだけで白飯一杯食べれるくらい面白いわけですよ。

真意は置いといて、僕にはオフビートなナンセンスギャグに見えて仕方がないです。
梯子外しの美学が伺えます。

まずは前田敦子さんのシングル「Seventh Chord」があるわけですよね。
そんで秋元さんから黒沢さんにMVのオファーが来ると。
ほほう。

ロシアで映画っぽく自由に撮ってくれってさ。

ふーん。
へー。
それがこうなると。


おもろすぎやろ。
なんでやねん。

黒沢さん自身、彼女には「孤独/強い人」という印象があったそうですから、そういった意向が本作には詰められとるわけですわな。

やとしてもこうはならんでしょ。
黒沢さん。あなた以外これを面白くできる術を持つ人はおそらくいませんよ。

なんて人だ。
なんでこんなにも可笑しく映るんだ。

多分めっちゃ真面目にやってるんやと思うんです。
お話の整合性もきっちり取れてるんですから。

ただもう。
もうほとんど全て外しにかかってるように見えて仕方がない。

どういうテンションで作ったらこんな荒唐無稽な風が際立つってんだい。

明らかにテイストにギャップがあるMVを終盤否応なしにぶっ込んでくるとか。
もうおもしろがすぎるでしょう。
anzy

anzyの感想・評価

2.4

このレビューはネタバレを含みます

衝撃の展開というのは最後前田敦子のMVになる事なのか? 
中国人との別れのシーンが良かったくらい
特に言う事はない
なにこれ!?!?
なにあの曲!?
なにあのラスト
テキトーか!
嫌いじゃないよ
(Actually見なきゃ)
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