ハマジン

恐怖のまわり道のハマジンのレビュー・感想・評価

恐怖のまわり道(1945年製作の映画)
3.5
こわすぎる。
LAへ渡った歌手のガールフレンドを追いかけるピアニストの男のひたすら受動的な決断(力のなさ)によって、ヒッチハイクの旅が地獄への一方通行に変貌する陰惨きわまりない映画。しかもそれをそっけないタッチでほとんど"喜劇"として撮っている。
助手席で眠る女性・ヴェラ(主人公を決定的な破滅に追いやる人物)の咽喉元に車のハンドルのカーヴがかぶさるよう画角を調整されたショットがすでに彼女の"末路"を暗示していたりなど、さりげない細部の演出1つ1つがめちゃくちゃ恐ろしい。
異様に白く光るマグカップの表面のアップからジャズバンドのバスドラムのフロント・ヘッドの白へディゾルヴすることで、スムーズに回想へ入るタイミングも見事。
ハマジン

ハマジン