エーコ

恐怖のまわり道のエーコのレビュー・感想・評価

恐怖のまわり道(1945年製作の映画)
4.0
しかめっ面で激しいピアノを弾くトム・ニールに笑っていたら、いきなりの雨でヒッチハイクを断ち切り、天候も車もジャンルも変形する。冗談みたいな死。ダメ押しの悪女はまったく反論を許さない。どう考えてもおかしいタイミングでおかしい相手に「愛している」と言ってしまうのだが、その根拠のなさが生々しいと思う。警察に電話するかしないかのところでクローズアップの顔面力勝負が始まり、そのまま最後の電話線アクションに突入するあたりは手に汗握る。コードを引っ張る手のさりげないアクセント。演出の主張ぶりとさりげなさのバランスもこれくらいがいいと思う。
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