ねつき

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのねつきのレビュー・感想・評価

4.2
「私たちの人生も同じよ。いろんな天気があるわ。」

リチャードカーチス繋がり再鑑賞。本当素晴らしいなこの映画は。

タイムリープ出来るって突然言われたら何するだろ。過去のうまくいかなかったことをやり直す…ってなるよね、大体は。私だったら今ダイエット中だから、めちゃくちゃに暴飲暴食して戻って食べずに寝るとかしたらめっちゃいいな〜とか思った。人生は巻き戻せないって知ってるから、過去のこの場面に戻れたら…!みたいなのって不毛だから考えない。
何かを得るなら何かを失う、そんなの当たり前のことだ。以前「自分の容姿の“良いところ”(肌が白いとか足が長いとか)と引き換えに等価交換で新しく良いところを得るなら、何を得たい?」って友達に質問しまくってたことがあった。「目をぱっちり二重にしたい…けど肌黒くなるのは嫌だな」とかみんないろいろ考えた末に、このままがいいやって言う。私もそう。得たいけど、失いたくない。

自分の周りにある愛おしいものたちの価値に気付こうって話。ないものねだりばっかしてるけど、今あるものに感謝しているのだろうか。過去に戻ってやり直すと、今ある何かを失う。だったら今のままでいいんだ。てゆうか、今のままがいいんだ。

今作の素晴らしいところは、なんだよタイムリープ出来る主人公めっちゃ羨ましいな、から、私たちも主人公の人生を通してタイムリープを体験し、「今ある人生の素晴らしさ」に気づかせてくれるところだ。なんだ、タイムリープなんていらないじゃんって。ある意味体験型の映画だ。同じ日をもう一度過ごすと、人生のありがたみに気づく、って。「もし○○だったら〜」なんて幼稚園児でも偏差値25でも言えるんだから、自己実現をもっと考えようね。じゃがいもとにんじんとソーセージと玉ねぎとコンソメがあって、「あとカレールーがあればな〜」って言うんじゃなくて美味しいポトフ作ろうね。

今日も空が青いとか、旦那さんご飯作ってくれてありがとうとか、嬉しい時にはきちんと感謝できるけど、雨だったり曇りだったり、面白くないことがあったら感謝なんて全然できない。でもさ〜面白くないことなんてないんだよ〜、雨の日でも風の日でも映画観るし結婚式も挙げるんだ。それだって思い出じゃん。なんでも楽しむってすごい難しいけど、このマインド身につけたら最強なんだよ。最近推してるAマッソが「ふざけて生きていこうぜ」でコンビ結成したように、芸人じゃなくたってふざけて生きていきたいよ。ふざけてれば、なんでも余裕持って楽しめるもん。そういう人生がいい。立派にならなくても、有名にならなくても、身近な人に感謝されて愛に溢れた人生がいい。自己中な自分はいつになったら大人になってくれるかなぁ。あと何本映画観ればいいのかな。

ありがとうって言うだけが感謝じゃないんだよ。自分より優先したい人がいるって言うのが、愛のある人生だと思う。



もう二度と会えないことがわかっている人との別れって、切ないよな。
ねつき

ねつき