1945年、色丹島。敗戦後ソ連軍の進駐により、いずれ戻れぬ地となる島民たちの苦悩や悲しみの幕開けを描いている。
子供目線なのか日本人目線なのか下方向から捉えたアングル。当時の暮らしの息づかいさえ聞こえてきそうな僅かばかりの光。色が命を帯びているように映し出される歪な空間は個性的で好みが分かれそう。
主人公たちが銀河鉄道と共に過ごしている際の宙をぐるぐる踊っているように見える独特の色彩感覚は、私の好きな鞠月絵美さんの描くイラストのようで、まるで彼女が彼女の色に陰を忍ばせて描いたように美しくて幻想的。無数に限りなく光る星となった人々たちが、彼らを優しく包んで明日へと導いてくれる。