lemmon

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のlemmonのレビュー・感想・評価

4.7
人生の苦味を描きながらも、温もり・優しさがすーっと浮かび上がってくる心地良さ。
語られないセリフの代わりに、さりげない演出から想像させてくれる。
モノクロがとても映える。
ほんと美しい作品。

ペイン監督の「アバウトシュミット」が大の苦手で、当時2度とこの人の作品は観ないとか思っていたけど、この人は孤独を描くより、本作や「サイドウェイ」のように人と人の間に生まれる何かを描いた作品の方が素晴らしく思うし、自分は好きだなあ。結局、最初に観た作品以外は全部好き🤣。

父、母、兄、自分。
叔母、叔父、従兄弟。
父の旧友、元彼女。
全員愛おしいわ。
群がるハエだとしても。
いや、色々あんのよ、どの登場人物も。と思える。

最初はうざい母ジューンスキッブの存在がやはりいいなあ。反対の態度をとりながら愛を感じる。

「老い」を肯定も否定もしない。
だって人間よくできているから、どっちにも心の持っていきようがある、その人次第で。それに気づかせてくれる本作、やはり好きだ。
lemmon

lemmon