リリー

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のリリーのレビュー・感想・評価

4.6
私にとって、何度観直しても最高に面白い映画です。鑑賞後は豊かな気持ちになる、名作だと思います。
当たってもいない賞金を受け取りに行くとわがままを言い、優しい息子に手を焼かせる老いた父親は、どうしたって憎めない人です。人から頼みごとをされたらノーと言えない人生を送ってきた人なのです。人の悪口と夫への憎まれ口をたたくことがほとんど趣味である老いた母親の毒舌には最初は閉口しましたが、最後には、良くぞ言ってくれた!と拍手喝采したくなりました。最高にかっこよく夫への愛を示してくれるのです。
そして、息子は、限りなく優しくお父さんに寄り添い、息子の鑑のようです。
彼らの親戚を含め、アメリカの片田舎の街の個性のある人々が見せる本音と建て前がとてもリアルでした。
親戚の集まりでの話題が、車の車種くらいしかなかったり、男性たちがいつも酒場で集っていたり、とても細かい演出が絶妙です。
とにかく、いつまでも心に残る映画です。
リリー

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