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ローン・サバイバーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)
3.9
夏休み自由研究的企画「戦争」「紛争」「軍事」を考える。
前回『火垂るの墓』までほぼ第二次世界大戦と太平洋戦争に纏わる映画だったが、ここからは他の戦争、紛争、軍事についても観ていこうと思う。

『ローン•サバイバー』。
2005年の6月末に実際に行われたアフガニスタン紛争における“レッドウィング作戦”に基づく映画。

アフガニスタン紛争。
いわゆる2001年9月11日の“9.11”の同時多発テロで本格的にアメリカとタリバン政権が本格的に紛争状態になる。

ちょっとwikiったけど、アフガニスタンの国民全員がアメリカに牙を剥いたわけではなく、一部のタリバン政権とそのタリバン政権の庇護下にあるアルカイダがテロ攻撃を実行した。

だからアメリカ軍は「テロへの報復だ」をこの紛争の大義名分とし、アフガニスタンへ軍を進め軍事介入。
そして、この当時ヴィンラディン率いるアルカイダやその他のタリバンの武力組織らの鎮圧を目指す。

今なお続く紛争。

その中で2005年に6月にタリバンの武力組織の幹部の拘束を目的とした作戦“レッドウィング作戦”が始まる。

この作戦はネイビーシールズが行った軍事作戦だが、この作戦がネイビーシールズ創設以来の死者を出す最悪の惨事に。

この映画はそれに参加しているネイビーシールズ4人チームに焦点を当てた物語。

作戦現場に到着するも電波が悪くて連携取れない。そうこうしてる間にとあるきっかけで気付かれてしまい、追うどころか追われる身に。

4人のチームに対して、100名を超えるタリバンの武装集団に包囲される。
まさに多勢に無勢。地の利においても不利。絶体絶命。

逃げながら、無線が繋がり応援要請ができるところを探しながら、背水の陣をさらに道無き道を後退し傷を負いながら、ボロボロになりながら、活路を探す。

彼らの日頃の過酷な鍛錬から生み出される「タフで諦めない精神」がまさに受け継がれてる映画だと思いつつ、傷を負いながらの戦闘はなかなか想像を絶した。

特に銃撃による傷もさることながら、後退するために道無き道、つまり、崖から飛び降りるかの如くの後退。
この岩場を転がり落ちるシーンが本当に痛い。

よくこれを耐え忍んで落ちれるな。
超人ネイビーシールズ。

やらなければ命は繋がらないのかもしれないが、普通の人はこれをやったら死ぬ。
これがネイビーシールズの鍛錬から生まれる魂なんだろう。

この最後の村での出来事も、今まで思ってたタリバンの紛争とは違う、現場の、アフガニスタンの中でも「色々ある」って言う展開で良かった。

この映画を観てこのレビューを書いてる間にも海の向こうでこんなことが起きてるかもしれないと思うと、ただ事ではないと思える作品。

この4人がしっかりキャラがあって、まさに兄弟のように思い合いながら窮地を凌ごうとする様はちょっとグッとくる。

マークウォールバーグ、体張りまくり。
緊張感があって映画としてもとても手に汗握る作品。
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