つかれぐま

ファインディング・ドリーのつかれぐまのレビュー・感想・評価

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)
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<2作目の難しさ>

タイトルに偽りなし。
ドリーが家族を探す話のようで、自分自身を見つける旅。

前作で使い捨てられた感のあったドリーの過去。そこを本筋とする本作は、ドリー≒障害者メタファーという重いテーマを扱いつつも、ニモ大好き!なお子様へのサービスも託される難しい作品になってしまった。

前者のテーマの語り口は、徹底的に弱者の立場にたつ優しさ。そして時に「実際我々が弱者に向けている視線」をメタに再現するシーンもあったり、ファミリーアニメにしてはドキリとするハード描写も少なくない。但し前作を越えるファンサービスも同時にこなした結果、少しガチャガチャした印象に。

例えばマーリンとニモ。
ドリーは水族館で新しい仲間(みな何らかのハンデを持つ)に出会う。彼らの話こそもっと掘り下げるべき作品なので、マーリン&ニモの尺をそっちに振って欲しかった。

(以下ネタバレ)
ドリーの家族についても同様だ。タイトル通り「ドリーが自分を探す」話なので、家族が自分を愛してくれていた<その痕跡>を見つけた、という着地でも十分だったのではないか。タコのハンクを海に連れて行くのも唐突過ぎる。「トイストーリー2」のプロスペクターへのように価値観の押しつけにも見えた。

最後はニモ親子+ドリー親子+ハンクたち水族館仲間=全員一緒ってキャラ多過ぎだろ(笑)。結局ヒット作の2作目は、誰がやってもこうなっちゃうんだろうな。