小僧

人生、サイコー!の小僧のレビュー・感想・評価

人生、サイコー!(2013年製作の映画)
3.9
コメディに振り切った作品なのかと思ったけど普通に良い話だった。
精子提供で遺伝子上533人もの子供がいたことが判明してしまう独身中年ダメ男デヴィッドは、その内142人の子供達から身元開示の裁判を起こされる。果たして匿名性を守るか身元を明かすのか。

印象深くて良かったのが、身元を隠したまま子供達に会いに行っては絆を深めていくデヴィッドの姿。確かに借金作るわ仕事もできないわでダメ男ではあるんだけど、天性の人の良さ、心の温かさで父親としての役割を果たそうと奔走する様がまさしく守護天使様であった。
子供達が父親を知りたい、感じたい一心で繋がっているのも良くて、またそれぞれが素敵な人柄なのもわかりやすく、この親にしてこの子あり×142を見られた満足感も大きい。(一人一人に詳しく焦点が当てられたわけではないけど、演出的にみんな良い子なんだろうなと伝わった)
なにより一番泣けたのはデヴィッド父。「毎日息子を見られる私は幸運だ、それが私の成功。無能だけど行く先々で愛される。皆も愛してくれる。人気者なんだから」…どんなにダメ男でも、そのダメっぷりゆえ自分に被害が及んでも、誰よりも息子の本質を理解して見守り背中を押す、仏様のような寛大さ。泣いた。

デヴィッド、家族、彼女、友人、そして子供達、それぞれが真っ直ぐ素敵な心を持っているからこそのハッピーエンド。どんな血の繋がりであれ家族の在り方や大切さ、自分自身の存在意義、親としての責任感、奉仕の心…色んなメッセージが込められていたように思う。
なかなか強烈かつあり得ないテーマではあるものの、蓋を開けてみたら終始ほっこりと心温まる良き映画でした。ヴィンスボーン主演コメディにハズレなし!
こちらはハリウッドリメイク版とのことで、リメイク元の方もぜひ見てみようと思った。

それにしてもムッチムチ時代のクリプラ、可愛すぎな。ヴィンスといると小柄に見える不思議。そして謎の安心感。
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