Rily

オール・イズ・ロスト 最後の手紙のRilyのレビュー・感想・評価

3.5
これは映画なのか?ドキュメンタリーなのか?いや、間違いなく“映画”だろう。
単独航海中、コンテナに衝突…。大海原でたったひとりの遭難劇(宇宙じゃないので“グラビティ”はあります…)

昔観た「キャストアウェイ」ではバレーボールのウィルソンがトム・ハンクスの大事な親友だったが、この作品ではまったくそのような娯楽要素なし。
頼れるのは己のみ。極限状態のなか、頭をフル回転させて見つけ出す“生きる術”。
できることはした…。最後の“手紙”も書いた…(誰に?)。あとは希望を信じるのみ…。

ふと疑問に思ったのは、左の薬指の太い指輪。結婚指輪?お守り?まぁ、どうでもいいことです…。

個人的には内容というより、“名優”を“みる”作品。世代ではない私。なんだこの佇まい…。ひとつわかったことは、目を細め、下唇を噛み、前歯が覗く、そんなシワだらけの“表情”というものが、ここまで画になる方はそういないということ。圧巻だった。でも、70代でこの作品は完全なるイジメ。

あと、最後に大事なことが…。

セリフが、ない…。

ですが、“音”はちゃんと聞こえます。
波音と雨音と風音と…、
“声にならない声”と“鼓動”…といったところでしょうか。
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