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シンデレラのnanatenのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2015年製作の映画)
5.0
素晴らしかった。
隙がない。隅から隅まで美しい夢で詰まっていた。シンデレラはもちろん、姉たちや舞踏会の人の衣装も本当に綺麗で可愛い、インテリアやお城、宮殿も美しい。そして魔法で作られたものたちの演出、グラフィックが本当によかった。
知っている物語でこんなにワクワクして感動できるのはすごい。ビジュアルだけで涙が出る。
実写ならではの補完の仕方も良くて、魔法が溶けるシーンは面白かった。確かにそうなるよなって笑
継母家族やキットのバックボーンにも原作より厚みを感じた。継母がシンデレラをいじめる理由を明言するのがとても良かった。共感とまではいかないけど理屈はよくわかる。母親として愛娘ではあるものの娘たちが愚かだという認識で、義理の姉たちもロールモデルが母親しかいなくて、可哀想だなと。階級社会の中での世界は狭すぎるね。
キットも森で出会った展開があることで意味が増して、さらにお父さんとのシーンがいつも良かった。胸で泣くシーンは小さな子供のようで。でもエラに「ぼうやじゃない」と言って貰えるように、短い尺でも彼の心が美しいことがとても感じられた。すごく青い瞳!そして大佐が良い!
シンデレラが灰被りのエラという意味なのは創作に使う時に少し調べて知っていたんだけど、実写版で回収されていて印象的だった。一方で最後に「シンデレラ」と名乗るシーンの解釈がまだ足りてない。呪いのようなその名前を受け止めたということなのかな…?
キラキラした世界とアトラクション的な楽しさが味わいたい時はまた視聴しようと思う。
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