菫

シンデレラの菫のレビュー・感想・評価

シンデレラ(2015年製作の映画)
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アニメ版シンデレラを見たとき、アニメが手で描いた偽物だからこそ追求したリアリズムのロマンを初めて感じた。
まるで実写みたいに、まるで自分が生きてる世界みたいになめらかで奥行きある!と思わせるアニメ技術。
シンデレラがガラスの靴を履いたときにふれる温度を自分も思わず想像してしまうのは、その技術があるから。技術のおかげでガラスの靴の輝きをそばに感じられる。御伽話が他人事ではなくなる。
そのアニメが今回、実写作品になり、ガラスの靴にはあえてアニメ的表現がされていた。その誇りに胸をうたれた。
アニメ版シンデレラのガラスの靴はこんなにきらきらしてなくて、普通のガラスっぽかった。その実写映画なんだから、もっと普通な靴でもきれいなのに、あえてアニメっぽいきらきらのガラスの靴。
かつて「まるで実写みたいになめらかな動きで、奥行きのあるアニメ」というアプローチをとっていたディズニーが、「まるでアニメみたいな輝きを放つ実写アイテム」を作った。それがガラスの靴。所詮つくりものとは言わせない、説得力のあるアニメを作ってきた自らの歴史への誇りと愛。めっちゃ泣ける。
ディズニー映画はアニメも実写も、愛を受け取ろうとするすべての人間のフェアリー・ゴッドマザーだ。ほんとにいつもありがとう。
てゆかベラトリックスがフェアリー・ゴッドマザーになってるのもおもろくて超かわいかった。
あーほんとに誇り高い作品だ。心動かされる。すごくいいもの見た。
菫