フライ

シンデレラのフライのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2015年製作の映画)
4.2
ここまで高クオリティーで、且つ世界観を壊さない内容に、ディズニー実写映画の素晴らしさを感じた作品。

本作の魅力は誰もが知る、色々な作品でも引用されるシンデレラストーリーの面白さだが、それを引き立てるキャスティングの素晴らしさを強く感じた。特に女優陣は圧巻だったが、シンデレラを演じたリリー・ジェームズは、本作以降、数多くの名作に出演する演技派女優になるだけ有り素晴らしかったが、何と言っても継母を演じたケイト・ブランシェットの美しさの中に感じる底意地の悪さを見せる演技は、最高に作品を盛り上げていた。

誰もが知るシンデレラを何処まで実写として再現出来るか、かなり見る側のハードルが高い作品だと思うが、そんなものを一蹴する内容は本当に素晴らしかった。かぼちゃの馬車のシーンはユーモアを交えながらの美しいシーンは良かったが、シンデレラと王子のダンスシーンには、思わず観客になった様な錯覚と、二人の美しさに惚れ惚れと見とれてしまった。終盤の魔法が解けるシーンも緊張感とユーモアのバラスに素晴らしさを感じたし、ガラスの靴のシーンも笑いを交えながら緊張感と苛立ち、ラストへの爽快な展開は、分かっていたとはいえ観ていて気持ちよかった。

文句のつけようが無かったが、本作の一番の面白さは、絵本やアニメの純真無垢でへこたれないシンデレラでは無く、ある程度現実的な演出から見える王子とシンデレラの出会いや、シンデレラの強さや純粋さ、心意気やセリフに、自分自身に欠けた、こう言う人で有りたいと思える率直さや内面の強さと美しさを感じる人物像に、王子同様、魅力を感じたからに思えた。
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