ちろる

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所のちろるのレビュー・感想・評価

4.2
期待以上にとんでもなく切なくて美しいラブストーリーだった。
「居場所がなかなか見当たらない。家の中にも、たとえ愛する人の隣にいても・・・」
そんな風に思っている人間はたくさんいると思うけど果たした本当にそうだろうか?
突然の事故目の前には意識不明の自分が運ばれて、誰も自分の存在に気がつかない。
私はここにいる!居るんだよ!って泣いてる親戚や友達に呼びかけても誰も気がつかれないというファンタジー的な展開がスタートするのだけど、実はファンタジーではなくて「走馬灯」を描いている。
死を目前にして振り返れば、居場所がないと思ってた日々なんてバカらしくて、本当の孤独の中で思い浮かべるのは家族や恋人との幸せに満ちた日々。
ベッドの中の主人公ミアはどんどん過酷な状況に陥っていくのに、回想されるファンキーなパパとママの溢れる愛とイケメン彼氏アダムとの恋物語が羨ましすぎて、不謹慎だけど幸せな気持ちなってしまう。
生と死を扱う作品でこういうの類は現実逃避な気がして乗り切れない時があるけど、この作品の脚本や映像の作り方がとても好みで、魂が彷徨うミアの中にスッと入り込めた気がした。
クロエ モレッツが一番魅力的な時期の作品なので、どのシーンもキラキラして可愛かったけど、アダム役のジェイミー ブラックリーがバンドで歌ってる姿は更に素敵で胸がキュンキュン。
最後まで2人にうっとりさせられた愛に満ちた作品でした。
ちろる

ちろる